パドルを開始しただけで、オイと怒鳴られ、どこから来たのだ?お前たちはあっちでやれ。とあしらわれるのは、自分たちが何もよそ者というだけではない。
とにかく下手だからじゃないのか。
と、同じくサーフィン始めたばかりの友人と帰りの車でむなしく語ったものだ。
絶対うまくなってあそこのピークで入ろうぜって。
何度も何度もそう励ましあっては、怒られながらポイントのすみっこの方で波乗りをし続けてきた学生時代だったけど、結局卒業するまでピークで乗れることはなく、その地を離れた。
あれから15年。
みんなから離れて一人あのピークに向かった。
そう、あの5のピークだ。
一人で行って、ピークから波を取って、リップを2発。
よしっと思った。
その後も何本も良い波に乗った。
でも、5のピークの人達がそれほどうまくなかったから乗れるみたいになった。
学生のときに自分はサーフショップをやるんだって決めたけど、それはあのむなしい車内をどうにかしたいと思ったからだ。
上手い人だけが楽しいサーフィンは違うと思ったからだ。
うまくなってあのピークで波を取るためにサーフィンしてきたんじゃない。
あの人たちをぎゃふんと言わせるために一生懸命練習してきたんじゃない。
と気づいたのは、乗り終わったあと。
とても後味悪かった。
大好きで大嫌いなポイント。
僕のルーツ。
次は違うサーフィンしたいな。