
YouTubeの文字起こしです。
極端に違う長さのサーフボードを乗り分けてみて感じた感想をシェアしたいと思います。
私が持っているサーフボードは、ロングボードの9’10″と、普段乗っているショートボードの5’5″という、全く異なる長さのボードです。例えば、しばらく5’5″に乗った後で突然9’10″に乗ってみたり、あるいはその逆をしてみたりすると、多くの気づきがありました。
その中の一つが、見る波が全く違うということです。狙う波が変わるのです。当たり前のことかもしれませんが、ロングボードならスルーする波が、ショートボードなら狙いたい波になったり、その逆もあります。「今日のベストの波」という基準も変わってきます。面白いことに、同じ波に対して、9’10″なら急いで迎えに行くのに、5’5″ならスルーしてしまうんです。
それに加えて、できる技や目標、目的が全く違うので、乗っている時の意識も大きく変わります。たったサーフボードが違うだけで、その日のコンディションの楽しみ方や狙う波が全然変わるのが面白いなと感じています。
状況によっても変わります。状況は人それぞれ、その場その場で異なります。波の大きさはもちろん、時間的な制約でも変わってきます。例えば、1時間後に仕事があって30分で上がらなければいけない時と、1日ゆっくり3ラウンドぐらいしようと思っている時では、その30分の気持ちの持ち方が全然違います。あの波に乗るべきかどうか、すべてが急ぎ足になったりしませんか? これがロングボードの時とショートボードの時でも、また違った様相を見せます。
私が八丈島にサーフトリップに行った時の経験を例に挙げると、その時は友達と二人きりで、頭サイズのきれいなリーフブレイクの波を独占できました。素晴らしい波が次々と割れていて、二人だけだったので全ての波に乗れる状況でした。そんな中で胸サイズの良い波をスルーしたんです。なぜなら、頭サイズ以上の波がたくさん来ていて、二人しかいないから選び放題だったからです。普段、お店の前の海で同じような胸サイズの波が来たら、年間ベスト1の波かもしれないのに、八丈島ではそれを座ってスルーする。全く違う状況ですよね。
このように、サーフトリップで海外の秘境に行った時の波の感じ方や、ロングボード、ショートボードなど様々なカテゴリーのサーフボードが組み合わさって、その時々で波の見え方が違い、自分の気持ちも違って、楽しみ方も変わります。これを考えると、サーフボードを変えることは大きな学びと楽しみを生むのだと、より深く認識し直しました。
小波だからとか、オンショアだからとか、人が混んでいるからといった、マイナス要素はあまり関係ありません。サーフボード一つの選択で楽しむ世界が広がり、狙う波が変わり、見え方が変わるのです。ロングボード1本でもなく、ログが全てでもなく、パフォーマンストライやコンペサーフィンが全てでもない。すべてをオールマイティーに乗るという考え方、つまり知らない世界を許容するという境地に辿り着いた感じがします。
今後も9’10″のロングボードから5’5″のショートボードまで、様々なサーフボードに乗って、また皆様と価値観を共有できたらと思っております。