ドラマの中で生きられる人

年度末が終わりということで、定年退職というお話もよく聞く。僕の周りも何人かいて。

人生余熱あり、これからの人生を大いに楽しんで欲しいと願った。

小学生の頃の、バスケの先生も退職だそうだ。この先生は、不良で、小学校の体育館でタバコを吸う、漫画を持ってやってきてバスケの練習中に読んでいる、生徒を殴る、生徒をいじめる、パチンコで儲けた自慢を小学生にする、などワルい先生。

しかし僕は、この先生から教わった大事なことがあった。漫画な世界は現実から離れているがそうではないということ。躊躇することなく、そこの世界に入り込むと、人生はドラマになるということだ。

いつも殴るし、大嫌いだったけど、今はすごく感謝している。

シャンソンの前座試合をした時、リバウンドを取り、シュートを決め、ガッツポーズした僕に、『ばかやろう、ヘディングで入れるくらいじゃないと、会場が沸かねぇじゃねーか。』と本気で怒った。

とある大会で、僕達生徒が、集合時間に大幅に遅れて会場に着くということがあった。第一試合の開始直前で、僕達の出番の5分前くらいに会場入りしたと思う。これは間違いなく怒られるということで、僕達生徒は、走ってコートに行った。先に会場入りしていた先生が仁王立ちしてコートで待っていた。そして先生は、『よっし、ウォーミングアップだ、軽く倒してこい。』と言った。みんな一斉に身体が軽くなり、楽勝、結局その大会は優勝した。

小学生の先生というのは、得てしてお固い職業だ。とにかく不良な部分はご法度。分別のつかない子供の前では常に正しい先生でなければならない。

だけどそれだけだと、僕がそうだったように、ビビリで優等生であろうとする小学生は、全てを8分で消化する。喜怒哀楽も全て。

ドラマな世界は、何もドラマ内だけではなくて、普段の生活の何気ないひとコマもドラマになり得るということは、このような先生がいないと、例がない。

良い先生だったな。お疲れ様でした！

さっ明日から新学期。