
YouTubeの文字起こしです。
波の見方について、お話ししたいと思います。 サーフィンを始めて数年ぐらいまでの間、「波の見方がわかりません」というご相談を沢山いただきます。
これは経験値です。波の見方は、入った回数で徐々に分かっていくものだと、よく語られます。うまくなった方、最初からうまい方というのは、感覚的に波をつかんでいて言語化できないのです。
ある時、海の中でお客様に聞かれました。私がピークを追いかけていて、その方がもうピークは崩れてしまって、波がブレイクしてしまったところにピークに迎えて乗ったため、スープにしかならなかったんです。「もうちょっとショルダー寄りで、そんなにピークまで追いかけなくていいんじゃないですか?」と軽く伝えたのですが、お客様は「いや、ピークから乗った方がいい、ピークを探すということを習ったので、ピークに迎えに行って私は乗りました。何が悪かったんでしょうか?サーフィンの波は、ピークに向かってピークから乗るんじゃないですか?」というご質問でした。
これは結構大きな課題だと思いました。確かにここは、みんな感覚でやっているけれども、もしかして「波の見方がわかりません」は全てここに通ずるんじゃないかと思ったんです。
サーフィンを始めて50ラウンドぐらいすると、大体ピークというのがどれぐらいかなとわかるようになります。100ラウンドぐらいすると、ピークを探して、ピークに向かってパドリングして、そこからテイクオフしようとします。でも、本当になぜか乗れるときはあるけれども、乗れない時がほとんどです。どうしてフェイスを走れないのか、どうしてアップスの練習できるところまで到達しないのか?
アップスの練習までまだまだだと思う理由は、その波のキャッチする場所にあります。テイクオフの技術もできている、レールを入れて走る技術もできている、いいところでたまたま乗れば乗れるのですから、ただ単に波の取る位置の問題なんです。「波の見方がわかりません」の答えは、波を取る位置が当たれば乗れるということです。乗れてさえすれば練習機会が増えるわけですから、アップスもターンもすぐ行けます。
サーフィンを始めて数年の「波の見方がわかりません」は、まさに一番大きな課題です。その方の質問に戻ると、波がブレイクします。ピークに行ってしまったがために、ブレイクして終わりごろのピークだったから、すでにテイクオフした時にはスープです。毎回それを繰り返します。
本来は波のブレイクは沖から岸に向かって動いているから、どこでブレイクすればちょうどいいところかというのがあります。奥行きがある岸側と沖側で、でもピークだけを狙っていくと、その波のタイミングがちょうどいい時もあるけれど、沖に行き過ぎて割れないときもあります。ほとんどの場合は割れているのが見えるので、もうブレイクしてしまって割れようとしているところにアプローチしてしまいます。
もう波がブレイクしてしまったら、あとは白波しかないから、そこで立ってもフェイスはありません。波のフェイスを走りたいということに気づくんです。そういうことで次のステップに行くと、今度はフェイスで走ればいいんだと、波のブレイクのところへ行ってしまうと、ブレイクして崩れてしまうので、フェイスで走ろうとなります。
フェイスはこの先にある、ブレイクした先にあるフェイスです。そっち側に向かってパドリングして、フェイスで乗ろうとします。これは良い波ならできます。結構壁が広くて海外の波とか良い波であれば、フェイスに向かっていってフェイスから乗ることができます。フェイスでも押してくれるからです。
でも日本の波、平均的な波、小波は、ピークしかパワーがなくて、フェイスを追いかけてフェイスに乗ろうとすると波に引っかからないんです。なのでそれも間違いです。ピークに行くと壊れてしまっていて、もう白波です。フェイスでテイクオフしようとすると引っかからないのです。
どういうアプローチがいいのか?一生懸命考えました。もし言語化するとすれば、ピークにも行かない、フェイスにも行かないとすれば、これからフェイスになる場所でテイクオフするというのが正解かなと思います。
もし他の表現があれば、皆様ぜひコメントで教えてください。今からフェイスになるところを探すのです。ブレイクします。このブレイクポイントからフェイスが出てきます。ブレークがこうやって進んでいきます。このブレークから進んでいくか、このフェイス、フェイスの、この今からフェイスになるところに合わせていくのです。
ピークに合わせていくんじゃない、フェイス、ショルダーに合わせていくんじゃない。今からフェイスになるところに合わせるのです。それというのは、自分のいる場所と波のブレイクの場所が毎回変わるため、ちょうどいい場所にいることはできないので、自分が波を迎えに行かないとちょうどいい場所に入れないんです。
ちょうどいい場所に迎えに行きたいけれども、迎えに行く場所は?狙う場所は?今からフェイスになるところ、ブレイクのここです。たまたまここに入ったら、ピークに行った方が今からブレイクになるところに入れるかもしれないし、たまたまこっちの方にいたから波がこう動いていって、ここまで迎えに行けるかもしれません。この場所にいたら、ちょうどブレイクがフェイスに変わる場所に入れるかもしれません。
そんなタイミングで、波の来かたによって、自分の居場所によって、いつも変わることなので、自分がいた場所から乗って、そこに偶然いい波が来るというのは、そう簡単にないということです。だから、いい波1本しか乗れなかった、ここで5ラウンドやって2、3本しかいい波に乗れなかったというのは、たまたまその場所に来た波がそのタイミングだったということです。
これからは、ピークに行くんじゃない、ショルダーに行くんじゃない、今からフェイスができるところに合わせて迎えに行って、乗ればテイクオフするのとタイミングと、これからフェイスが来るので乗ったらフェイスがあるという、ところを探す旅に出かけてほしいです。
これを探す旅に出ると、サーフィンはぐるっと一気に大転換します。今までずっと乗ったら終わりだったし、引っかからないところだったから、乗ったらフェイスがあるんです。サーフィンの技術は何も変わっていないけれども、乗る場所が変わっただけです。それは今のを知ったか知らないかだけの違いです。
サーフィン始めて数年の方がいい波に乗るとうまくなりますが、そのいい波というのは、そういうところにあるのかもしれません。ご感想とかご意見をいただけるととても嬉しいです。