ロングボードの中でもノーズライダーのクラシックスタイル、The Obsessedモデルだが、TAKEDAファクトリーではやはりオンフィンのオーダーが多い。
10 1/2″のファイバーグラスのオンフィンだ。
ノーズライダーの場合は、後ろにしっかりとした重心が必要ということでファイバーグラスで大きなフィンをドーンっと付ける。
ハニカムだのカーボンだの動かしやすく小さいフィンだのは、古き好きカリフォルニアの空気からは程遠い。セカセカした現代の悪い風。
ピボットフィンをドーンっといくのがクラシックスタイルで、さらにはそれがオンフィンとなって初めて、カリフォルニアの風が心地よく吹く。
今現在ここまでクラシックにこだわって手作業でファイバーグラスオンフィンを創りあげる職人が少なくなってきたが、その数少ない職人の一人がYoshiro Takedaだ。
ここまで来るのにかなり大変な作業だった。
まずは、
これがグラス。
これをある程度成形する。フィンの形っぽく切るってこと。
フィンっぽい形のものを、少しずつ削っていく。
これで作業的にはまだ1/4も行ってないかも。
ここから削っていく。
話しかけられないほど長時間すごく集中した空間だった。
削ってはチェックし、削ってはチェックし、の繰り返し。
完成!!
「厳か」
これがこうなる。
Takeda Customsに入るオーダーの多くは「お任せ」。今回のこのボードも。
こうなればかっこいいんじゃないか、このボードの色にはこれだろうな、など言いながらYoshiroはしばらく考えた。
うん、これだな。
と頷き、グラスワークで色をつけていく。
ここからはサーフボードにティントやピグメントを入れていく工程と同じ。
反対側は違う色で。
完成。
9’8″ 24″ 3 7/16″
グラスからフィンを削ってデザインしてボードに付けるって普通に考えたらシンプルだけど。
現代は機械でフィンを大量生産してボックスをボードに埋め込んで効率を求める。
職人の手作業により仕上がったボードは、唯一無二。
魂が宿り、カリフォルニアの風がそよそよ。
これは、「サーフィンに人生をかける格式高いサーファーが手に取る価値のあるもの」って言えるかもしれない。
〜関連記事〜
オンフィン貴重ログ在庫
The OBSESSEDモデル