いよいよMick FanningのStab in The Dark が発表されました。
今回の舞台はなんと日本です。
ちなみにすでにご存知の方も多いですが、Stab in The Darkとは、選ばれたシェイパーがプロライダーの身長と体重だけ知らされて1本パフォーマンスボードをシェイプします。プロライダーの名前は伏せられます。プロライダーはどのボードが誰のシェイプかは分かりません。同じデザインでサインは無しです。
今回はとても興味深い初の、EPSで!という企画です。加えて今回はボード長さが統一されました。幅や厚みはシェイパーの自由です。
どのシェイパーが一番調子いいのか。過去にはこのボードは調子悪いって普通に言われてしまったシェイパーがたくさんいます。本当にやってもいいの〜?っていう企画です。
この企画は4回目です。これまでの結果を少し振り返ってみましょう。
第一回 ジュリアン・ウィルソン
- DHD
- CHILLI
- MEYHEM
- JS
- PANDA
- SHARP EYE
- CHANNEL ISLANDS
- DAHLBERG
- SIMON ANDERSON
- ROBO
- STAMPS
- PYZEL
第二回 デーン・レイノルズ
- PYZEL
- JS, MEYHEM, HEYDEN は同率2位
- 他のシェイパーは脱落で順位無し
第三回 ジョーディ・スミス
- PYZEL
- JS
- GRAHAM SMITH
- BRADLEY
- 他のシェイパーは脱落で順位無し
GRAHAM SMITHはジョーディのお父さん。自分でもびっくりしてたくらい分からなかったし調子良かったようで、今ジョーディ結構お父さんのボード乗ってますよね。
さてさて〜。2連続でPYZELが選ばれていますが、ミックは果たして。
シェイパーに渡された情報は、プロライダーは178cm, 80kg、サーフボードの長さは5’10 1/2″で、フィンはトライフィンで。ビーチだろうけどもしかしたらリーフもあるかもね。ってくらいです。
ミックは普段EPSに乗らないみたいです。
舞台は台風の日本からスタート。ありがちな台風スエルオンショアクローズもありました。ミックが乗るといい波に見えてしまいますね。
さて先に結果です。
予選を勝ち上がったのが、DHD、CHANNEL ISLANDS、PUKASの3本でした。
他は同率の敗退。この3本を持って日本からカリフォルニアへ移動。
しかしまたまた波がダメで、オーストラリアへ移動。
結果は、
- CHANNEL ISLANDS
- PUKAS
- DHD
となりました〜。
しかし実際は、DHDがベストだったようです。DHDのボードは完全に分かっていたので、自分のスポンサーのボード選んだらやらせになっちゃうという含みがありました。選びたかったのはDHDっぽいですね。まずはDHDは省いて、あと2本で決めるよ、みたいな感じで。
オフィシャルの優勝はアルメリックでした☆
PUKASは全然知らなかったみたいです。どこの誰かも知らないけど新しいシェイパーだね、素晴らしいよ。と言ってました。こうやって新しいシェイパーが出てくるのもこの企画の良いところですね。PUKASが今回の最速記録でした。
さて、僕が見たいのはボードディメンション!シェイパー、ボードサイズ、テクノロジー、モデルの順で紹介します。
その次がサーフウォッチで測った時間、乗った本数、トップスピード時速、一番長く乗った距離の順です。
区切り線は日にちまたは場所が変わったところです。区切りでコンディションは大きく変わっています。
ROBERTS
Roberts Weiner、5’10 1/2″ 18 3/4″ 2 5/16″ 26.8L、RFT-TDD、Custom
66分、16本、33.7km、196m
MEYHEM
Matt Biolos、5’10 1/2″ 18 3/4″ 2 5/16″ 26.5L、Carbon Wrap、Driver
75分、14本、22.8km、130m
PUKAS
Axel Lorentz、5’10 1/2″ 18 3/4″ 2 3/8″ 26.44L、INN-CA、Tasty Treat
102分、24本、38.8km、199m
JS
Jason Stevenson、5’10 1/2″ 18 3/4″ 2 3/8″ 27L、HYFI、Monsta 8
30分、3本、23.8km、84m(折れてしまいました)
CHANNEL ISLANDS
Britt Merrick、5’10 1/2″ 18 5/8″ 2 5/16″ 26.4L、Spine-tek、Fever
92分、24本、31.6km、172m
PYZEL
Jon Pyzel、5’10 1/2″ 18 3/4″ 2 5/16″ 26.5L、Electrolyte、New Model
105分、18本、30.1km、173m
DHD
Darren Handley 、5’10 1/2″ 18 3/4″ 2 5/16″ 26.5L、秘密、DNA / 3DV
41分、12本、20.0km、138m
SLATER DESIGN
Daniel ‘Tomo’ Thomson、5’10 1/2″ 18 3/4″ 2 7/16″ 28.26L、Helium、Gamma
48分、7本、21.2km、91m
HAYDEN SHAPES
Hayden Cox、5’10 1/2″ 18 3/4″ 2 5/16″ 25.95L、FutureFlex、Darkside
85分、20本、23.1km、147m
CHILLI
James Cheal、5’10 1/2″ 18 3/4″ 2 5/16″ 27.2L、Twin Tech、A2
69分、22本、30.4km、103m
SMAC
Eiji Takeuchi、5’10 1/2″ 18 7/8″ 2 5/16″ 27.4L、Pro Carbon Flex、E.profly
73分、14本、25.2km、140m
ほとんどのシェイパーが18 3/4″に合わせてくる。黄金比か。5’10 1/2″ 18 3/4″。合う方!次はこのバランスでオーダーしてみてください。絶対黄金比だ。
ジョーディやデーンは調子悪いボードをゴミだくらい言ってましたが、ミックは全部のボードで「いい感じだね」を忘れない紳士な人でした。ライディングをじっくり見てますと、明らかに違いが分かるものもあります。ミックのフィーリングではものすごい違いがあるはずです。それでもいい感じだねを忘れない。かっこいいサーファーだ。
ミックのすごいのは触っただけで誰のシェイプかが分かってしまうということです。乗ったことないとか知らないシェイパーはいましたが、知っているシェイパーは次々と当てていきました。
ということはやっぱりそれくらいシェイパーごとに癖というか特徴があるのでしょうか。ミックが乗ったことないモデルとか、違うモデルを削っているはずなのに触っただけで当てるのですから、シェイパーの特徴があるのでしょう!
このシェイパーのボードなら何でも調子いいっていうのはありまして、それはシェイパーとそのサーファーとの相性だと思います。
例えば同じターゲットの波・同じコンセプトのモデルを違うシェイパーが作るとします。全然違うシェイプでできてきます。同じ目的のボードなのにシェイパーごとにベストが違うわけです。当然と言えば当然ですが、どちらのボードがあなたに合いますか?の答えは乗り比べれば分かるはずなのです。どのシェイパーのアプローチが自分に合うのか。自分に合うシェイパーは誰なのか。
なんだか自分もStab in The Darkやってみたいですよね。そんなの無理ですが。184cm 78kgの腹の出た中級サーファーがビーチブレイクで乗るパフォーマンスボードを削ってください。って。一流シェイパーに頼むという。
考察するところはたくさんありますね。でも見ているだけでも十分楽しいので、時間あるとき見てみてください。
この中で、サーフボードはコンペの結果の全てだとミックが言っています。マジックボードは全てのコンディションで最高だ。ドライブもターンも全て最高だ。マジックボードが手元にあったときに勝ってきた。と。
もう一度自分のサーフボードのこと考えてみたくなりました。
参考