僕はサーフィン歴5年のときに何を考えていただろうか。ひたすらリップだったと思う。どうすればオフザリップができるのか、HOW TO 本やHOW TO ビデオ（当時はVHS）を一生懸命見ていたのを思い出す。全てを飛ばしてリップアクションのところだけを何回も。動体反射予測機能を作動させるって説明してたのを今でも鮮明に覚えている。なんだか意味が分からななかったし今思えば何にも正しくないと思うけど、もうそれはそれは。動体反射予測機能を働かせてサーフィンする。なんてかっこいいんだろうと思っていた。
で、肝心要の自分のサーフィンはというと、テイクオフすると見える景色はホワイトウォーターの後だ。そこからリップアクションなんてありえないんだけど。当時の僕はとにかく頭に入れる情報はリップアクションだった。
今コーチングさせてもらうようになって。サーフィン始めて3年未満の方が多いけど、みんながアップスやリップアクションをやりたいという気持ち、僕が一番分かってる。しかしだ、それは間違っているということも僕が一番分かってる。
サーフィンはステップ。もっと他にやることがあるということを知ったのはサーフィン始めて8年後くらいに受けたオーストラリアのプロコーチング。僕は運が悪く遅かったけど、みんなは今知ればまだまだ遅くない。このままあと5年行くと僕と同じ。いやもっと行ってしまうぞ。確実にステップを潰していけば勝手にアップスもリップアクションもできるようになる。10年経って僕のあのサーフィンをしていては泣けてくるぜ。
