アリなど昆虫の群れの中に規則性を持たない動きをするやつが10%くらい必ず出てくる。そしてその10%が種を生存させてきたみたい。
人類だって、あそこは危険だけど行ってみるか、と行ってみた10%の勇気ある人々がいたから今があるんだって。
進化だったり種の保存だったりって話。
僕はいつもサーフボードでそれを思う。強く思うようになったのは、もちろんインターネットによるもので。
昔みたいに見て触ってみて、なんかこれ良さそうっていう選び方はなくなって、インターネットであなたにはこれが合うんじゃないですか?と下の方に並ぶやつ。そういうリコメンドされたボードに乗っている人がマジョリティになったから。いいね!と広告に支配されてるから。
それが悪いというよりは、それはその世界でありだし、そういうサーファーがサーフィン人口を支えてるしサーフィンインダストリーが継続発展してるしね。
ただハンナファームは10%の方に行きたい。
なんかこのサーフボード良さそうな気がする。これ変な形。気持ち悪いけど気持ち悪いのが気持ちいい。こんなの乗ったことない。どんな動きするの?
そういう選び方で新しい発見をするお手伝いをしたい。
サーフィンは身体性を十分に引き出すそういうスポーツでしょ。
だって考えてみて。前の晩に海行く準備しているときだって、海に行く途中に車の中で好きな音楽かけてるときだって、波チェックしてそこにたまたまいた人と会話することだって。帰り道にくやしくてくやしくてハンドルを強く握ったときも、家に帰ってビールがうまいときも。サーフィンって波に乗っているただその瞬間だけではなくて、準備から帰ってビール飲むまでその一連のプロセスがトランス状態。デジタルから離れられるなんとも贅沢なスポーツ。
サーフィンってそういうスポーツなんですよ。
40代のメタボ週末サーファーにはこれ!みたいなリコメンドされた当たり障りないサーフボードでサーフィンする人や、SNSのいいね基準でポチるサーファーが今やマジョリティ。
でもハンナファームはそういうのを振り切って10%に向かう。
サーフボードの販売をしている人としてちゃんとしているか、ちゃんとしているように見られているか、を気にしない。今いいねを集めるのはこのブランド、そんなのは関係ないし。いいねが集まったってことはエンターテイメントとして優れているけど、アートとしてはNGだから。
真のアーティストが創り出すサーフボードを提案していきたい。それがサーファーの贅沢な時間、トランス状態の1パートをより輝かせてくれるはずだ。
みんなの知らない世界を指し示していきたい。サーフボードによって外をスポットライトで照らす役割が僕にはあると思う。
サーファーこそがアーティストだから。
向こう側思考を提案します。
参考