休業中に考えるサーフボード全10本、本日で終わりとします。最後はサーフボードの未来について。
サーフボードはアーティストが制作するアート作品である。そして乗り手はそれを単なる道具としない。自分もアーティストであることを思い起こし、それらのアート作品と対峙することで小さな世界に囚われない考え方を手に入れた。ロンボードシングルフィンも、パフォーマンストライフィンも、毎日サーファーも夏だけサーファーも、老いも若きも、全てを許容する心でサーフィンという芸術を楽しむのだ。
これからのサーフボード作りもこれからのサーフボード乗りもどうか異次元にいようじゃないか。
サーファーの年齢、生活習慣、体型、サーフィンレベルの移行、サーフィン頻度などが時系列でデータ化され、それに合わせて持っているサーフボードの形が自動的に変わるというのはどうだろう。そして明日の朝はニアスでサーフィンしようかなと伝えてみよう。サーフボードをアップデートしますか?と表示され、夜間に勝手にアップデートされるのだ。最近飲み会が多く太ってきて運動不足で身体が動かなくなっているのをデータから読み取り、夜間にサーフボードが肉付けされて浮力が増す。次の日の朝ニアス用にアップデートされたサーフボードを手に取りバレルをメイク。まぁバーチャルの世界だけどね。
この世界も否定しないのがアーティスト。古いものに引っ張られているとドラスティックな改革、斬新なサーフボードはできない。反対に古いものを知らないと深さが出ない。サーフィンブームの人口増時代とは違い、これからはサーファー少数時代。ウイルスのせいでろくにサーフィンできなかったりして。枠に囚われたありきたりなサーフボードを制作しているシェイパーはもう陽の目に当たることはない。真のアーティストは、ノコギリで削るサーフボードから3Dプリンターで自動で作るサーフボードまでの制作過程を自分の頭の図書館に入れている。どこから切り出そうか、それを自分なりにどのように表現しようか、とんでもないところから思考が飛び出してくる。
これから制作されるサーフボードは益々楽しくなると思う。ぜひ真のアーティストを追いかけよう。
そして、いよいよ乗り手がサーフボードを道具ではなくアート作品として見るときが来た。制作者と同じ視点を持とう。サーフボードから自分を、自分からサーフボードを、古い時代からサーフボードを、サーフボードから近代を、大自然からサーフボードを、サーフボードから波のフェイスを。もっともっとたくさんの視点で。スイッチャーのように様々な角度から異次元にサーフボードを捉え楽しんでいこう。
サーファーこそアーティストなのだから。
向こう側コンセプトではそのようなアートな世界の入門編から楽しめます。どなた様も短期間でもお気軽にご利用ください。
参考